公開日:2012 年 11 月 01 日
この度、平成24年度被災障害者就労支援事業所等復興支援体制づくり事業の一環として、『第五回被災障害者就労支援事業所連絡会議』を10月29日(月)に開催しました。
この会議は、宮城県内で建屋の損壊等特に直接的被害が大きかった、若しくは沿岸部等、特に被害の大きかった地域に所在する生産活動を伴う事業所を対象として、情報交換による互いの状況把握と、それに関しての相談、アドバイスの場を設ける事で、新たな問題解決の糸口発見や協働での作業づくり等相乗効果が期待できると考え、震災の影響を強く受けている事業所の集まりを作る事で、何らかの支援をしたいと考えている法人や団体、有識者を迎え、作業の提案や商品販売ルート開拓、場合によっては事業所運営のヒントを得る事を目的としております。
第五回目は、場所を東松島市コミュニティセンターとして、大変お忙しい中6事業所6名の方にご参加いただきまして開催致しました。
【参加者】
(社福)嶋福祉会 さくらんぼ 山崎施設長
(社福)円 まどか 塚原生活支援員
(社福)洗心会 のぞみ福祉作業所 森主任
(社福)洗心会 風の里 熊谷主任
(社福)矢本愛育会 ぎんの星 三浦施設長
NPO法人輝やくなかまチャレンジ こころ・さをり 熊井センター長
【ゲスト・アドバイザー】
宮城県保健福祉部障害福祉課社会参加促進班 岡部主査
(特非)セカンドハーベストジャパン 柴田氏
(特非)難民を助ける会仙台事務所 有働氏
(特非)麦の会 飯島理事
(特非)日本セルプセンター 林氏
(特非)ふうどばんく東北AGAIN 高橋氏
※ 津田塾大学より学生1名(ふうどばんく東北AGAIN研究のため)
第五回目の会議の内容は、現在の活動内容と今までの案件の進捗状況、または、現在の一番の問題点等を中心にお話していただきました。
【青写真の有無】
町を失う、風景を失うという甚大な被害を被った南三陸町は『町の再生=事業所の復興』でした。やっと地質調査が始まったそうです。ゆっくりと、しかし確実に、復興に向けた歯車が動き始めた手応えが感じられました。しかし、仮設の事業所での不便な活動は今すぐ改善される訳ではありません。少なくとも後4〜5年は今の現状が続きます。それでも「企業からの注文も来ているから、本音を言えばマンパワー不足で苦しいけれど、これをビジネスチャンスと捉えてスタッフ一丸となって乗り切って行きたい。」と熱い思いを語って下さいました。
毎日を元気に、モチベーションを上げて利用者さんと関わるのが事業所の皆さんの一番の仕事かと思います。被災事業所連絡会議も五回目を迎え、ここに来て“未来への青写真”を手に入れたところとそうでないところの格差が目に見えて来ました。4〜5年という年月を考えた時、何の改善がみられなければ、それは気の遠くなるような長く苦しい時間になるのではないでしょうか。
「将来的に見えてくるものがあれば現状も甘んじて受けて頑張ることが出来るが、先の見えない話になると職員のモチベーションも下がるし一番心配なのは利用者さんが不安定になってしまうことだ」と発言された方がいましたが全くその通りです。健常な方でさえ、あの震災後の住居を選ぶ選択肢も無く、肩身の狭い不自由な生活を強いられて体調を崩された方が多かったのです。
仮設住宅の敷地内に間借りするしかなかった事業所さんは、理解の無い住民感情を感じては肩身が狭いと言います。「毎日元気にはやっているが、静かに活動できる場所があったらどんなにいいかなと思ったり、活動できる場所があるだけでも幸せかなと思ったりしています。」と揺れる心情を語っていました。はっきりとした未来への青写真はまだ見えていません。
【風評被害】
震災後、食品を製造している事業所にとって切り離すことの出来ないのが「放射能」です。公的な機関の検査代が高く事業所の負担になっています。数ヶ月前の検査で何の問題が無かったとしても「今はどうなの」と聞かれる度に再度検査を受けている様です。毎回1キロの検体を用意しなければなりません。セシウムの性質上半減には時間もかかり蓄積や濃縮という問題もあることから、食品関係の事業所はこれからも検査を受け続ける事になるはずです。そんな中(特非)難民を助ける会さんから放射能測定器の寄贈が決まり、寄贈される事業所の皆さんにはこの上ない朗報でした。ご尽力いただいたことに、この場を借りて厚く御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
「この会議に参加したい」と名乗りをあげて下さったゲストの方もいて、大変有意義な会議となりました。毎回毎回、時間が足りないくらい話が付きません。会議室を出た後の立ち話が一番面白く盛り上がっています。
この会議は、毎月1回の開催を目指して活動しています。
次回の開催予定は、11月29日(木) 13:30〜 場所:東松島コミュニティーセンター です。
【 参加予定】
宮城県内の障害者就労支援事業所
(特非)日本セルプセンター
(特非)ふうどばんく東北AGAIN
(特非)みやぎセルプ協働受注センター
詳しい内容についてのお問い合わせは、みやぎセルプ事務局(Tel:022-399-6299)までご連絡下さい。
ご興味がある企業の皆様からのお問い合わせもお待ちしております。
〒981-1102 宮城県仙台市太白区袋原五丁目12-1
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