公開日:2015 年 1 月 16 日
この度、平成26年度障害者工賃向上総合対策支援事業の一環として、平成27年1月9日に仙台市のみやぎNPOプラザにおいて、就労継続支援B型で活動している事業所向けに「宮城県工賃向上支援計画に基づく工賃向上相談会」を開催致しました。当日は、新年早々大変お忙しい時期にも関わらず、24事業所合計26名の方にご参加いただきました。
初めに、参加して頂いた事業所の皆様に自己紹介と就労継続支援B型でどのような作業を行っているのかを話して頂きました。皆さんB型事業所で働いている職員と言う同じ立場ですので、今後の横の繋がりもとても大事だと考えているからです。はじめは、「えっ!」と言う顔をされた方もいましたが、これをきっかけに和気あいあいとした雰囲気が広がりました。
続いて、当法人会長でもあり宮城県工賃向上支援計画検討会座長でもある市川よりご挨拶と以下の内容についての話を致しました。
・平成25年度までの工賃実績
・平均工賃月額の地区別推移(H23〜H25)
・圏域毎の平均工賃月額最高額と最低額
・みやぎセルプの売上と事業所への支払額の推移(H21〜H26.12)
・障害者優先調達推進法による、障害者就労支援事業所等からの物品調達の実績について(宮城県、仙台市、全国)
次は、宮城県でB型事業所を運営し、小規模ながらも高い工賃を払っているNPO麦の会代表の飯嶋茂氏より、「パンとクッキーを作り続けて20数年、その経験が工賃アップのヒントになれば」とのタイトルで、以下の内容で大変貴重なお話を頂きました。
・コッペの成り立ち(障害者にも労働する権利を/安全でおいしいものを)
・コッペの現在の状況(定員20名:スタッフ8名)
・2013年度実績(訓練等給付費:年2,100万円/売上:年2,200万円(月183万円平均)
・工賃(平均工賃5万円/障害の軽重で差はつけない/能力給は否定する/コッペにいる期間時間で考える)
・仕事への向き合い方(主役は商品であるパンとクッキー。その為にみんなで力を合わせる/気持ちはパン屋。福祉施設職員ではない)
・工賃向上は難しい(福祉のベクトルと商売のベクトルは一致しない/福祉が優先を言い分けに使わない)
・具体的にコッペの場合は・・・こうやっている!!
本当に惜しげも無く沢山の事柄について、お話して下さいました。
立ち上げの頃の苦労話や足で稼いだ営業の話。商品へのこだわりは開業当時から変わらない事。パンとクッキー以外には手を出さなかった事。現在は卸売りが中心で「売ってくれるほど楽な事はない。卸すことを損だと思う感覚が間違い」との事。最後に、「是非、お互いの事業所を見学しあいましょう!!コッペでは一日体験研修も受け入れています。」とおっしゃっていました。
参加された皆様も本当に熱心に耳を傾け、大きくうなずいたり、メモをとったりという姿がとても印象的でした。
最後は、全体での質疑応答です。「職員の人手不足」「工賃の支払い方」「利用者同士のトラブルについて」など、参加された方からも積極的な質問や意見などが飛び交いました。全体を通して、今回のお話はとても身近なもので実活動に基づいた事柄であり、日々皆さんが直面している課題だったのではないでしょうか?やはり、そこを乗り越え現在の実績を出しているコッペの話は大変興味深いものであり、中にはすぐにでも実践できるヒントがたくさんあったはずです。
今後、参加して頂いた事業所の希望をとりながら、「コッペ見学ツアー」や「他の事業所を見てみようツアー」を企画し、それぞれの事業所の工夫してる部分をお互いに参考にしながら「工賃向上」へつながるようにサポートしていきたいと思っております。
コッペの飯嶋さん、そしてご参加いただいた職員の皆さん、ありがとうございました。
コッペの詳しい情報は → https://www.miyagi-selp.org/facilities/111.html
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