【あの日】
3月11日15時50分、町に大津波が来襲しました。海に近い自宅に戻ったスタッフが亡くなり、メンバーの10名余りが家や家族を失いました。町の土地は37%が浸水。家屋の40%にあたる3,300棟が全半壊し、そのうち1,013軒が流され600名を超える命が奪われました。国道6号線より海側を走るJR常磐線の駅が2つ、メンバーが大好きだった清掃先の「梅花園」、毎年ジャムにするイチゴを世話してくれた農家130軒の9割が津波にのまれました。
避難所生活や仮設での生活は、メンバーだけでなく健常な方の心身に影響を及ぼし不調を訴える方が増えて行きました。障がいがあろうと無かろうと『地域で生き生きと暮らしたい』という思いは誰もが同じでした。
地域で生き生きと暮らすために
『地域との繋がりを大切にしてきた地球村』として、被災した町民の皆さんの“心の拠り所”になるような「カフェ」を創りたい思いが強くなりました。町の未来を切り開くためには『心の元気を取り戻す』場所が必要でした。思いは支援者のネットワークで拡散され、全国の皆様の力強いご支援のおかげで、2013年11月15日のコミニティカフェの設立へとつながって行きました。
【2つのブランド】
イチゴの復興は山元町の復興でした。
私たちは「いちごものがたり」というオリジナルブランドを立ち上げ、いつか山元町に本物のいちごが復活する日を夢みながら製品作りに励み全国に発信しました。震災から1年後、壊滅的と思われたイチゴは「ミガキイチゴ」という新しいブランドに生まれ変わり奇跡的なスタートを切りました。そして、ジャムづくりをあきらめていた私たちは「ミガキイチゴ」を使っていちごジャムをつくり、地球村のブランドである「いちごものがたり」の名称で製品化することが出来ました。