支援物資

災害弱者と福祉の現場1

災害弱者とは災害時要援護者ともいいますが、「自力での避難が困難な人。支援を要する人々。」当然避難してからも配慮が必要となるわけです。仮設に入る際は優先順位が高いと言われながらも避難所では居場所すらない。例えばトイレが多目的トイレじゃないと使えない利用者さんがいたりとか、障害持ってる方はここのスペースを優先的に使ってもいいですよとか、当時はそういった配慮はなく結局避難所ではない別の居場所を探したり、車の中に入るしかなくなったり。そうすると避難所以外では支援物資はもらえないとか…。堂々巡りになり、当時はそういった事がしんどかったです。

同じ法人内の施設について

 指定を受けているわけではないのですが、福祉避難所になっている施設もあって。朝晩は家をなくした職員や利用者と一緒にご家族も共同生活をして、日中は普段のように作業をしてという生活をしていたそうです。ご家族の方も、そこから職場に向かわれたりしていました。
 別の施設でも、被災した地域の方々もみなさん避難してきて、最大8月くらいまで一般の方もいるような状況だったそうです。福祉避難所扱いとして気仙沼市からへ支援もお願いして、応えてもらっていたそうです。
 「のぞみ」もそういう支援を受けた施設から支援物資を分けてもらって、避難所にいる利用者さんたちに持っていって分けていました。

支援物資

なかなか支援の手が入らず、あきらめムードの中でも、声を上げることは忘れませんでした。

仮設が完成した後、物資が届いたりはしたのですか?

かよ子さん:物資はね、利用者さんが仮設のグループホームに入る際に必要な7点セットみたいなものは申告はしてたので、頂いたんです。
ただ、(仮設の)グループホームの後ろに一般の仮設住宅があったんですけど、そこに一軒ずつ物資が届いても、グループホームには来なかったんですよ。地域の皆さんには物資が届いたと教えられても、グループホームには声を掛けられなかったんですよ。こんなに立派な建物があるのに。

小川さん:ジャガイモとか、みかんとか、後ろの仮設の人たちだけで。

かよ子さん:それが、欲しいとかでないけど。

そうですよね

かよ子さん:グループホームの窓からすぐに一般の仮設住宅の玄関が見えるので、物資が運ばれているのが見えるんです。だからそこで、ちょっと嫌な思いはしたのかなって。

そういう思いをした人たちはどういう人だったのですか?

かよ子さん:地域の名簿に載ってなかったの。それで「うちは何区の何班なんですか!」って聞いて。名簿に載ってないと地域の情報が伝わらなし、いざという時のために地域の方々とコミュニティーを築いていないと、地域での生活は難しいので、名簿に載せて貰いました。そういう形で関わっていくうちに、地域との連携が取れてきました。

小川さん:でも、仮設のグループホームに引っ越してから2ヶ月くらいは、物資が来なかったんですよ。

物資はなにが来たのですか?

小川さん:野菜とか来て。

かよ子さん:(利用者の)皆さん住む場所が昔と違うところになるので、区長は誰なのとか、近所の人とのコミュニケーションとか不安が多くあるなかで、「何が・・・となりと違うの?」という言葉も聞かれてました。なんか一般の仮設住宅とは違う扱いみたいな感じなんですかね。

ハンドマッサージ

お父さんのおかげもあって、愛さんは仮設住宅の集会所で行われるイベントにも参加するようになりました。

仮設での生活の中で、助かったことや良かったことはありましたか?

熊井さん:支援物資が届いたり、餅つきなどのイベントがありました。お父さんは(仮設の近くの)集会所で、その仕事もしていました。

どんなイベントが一番好きでしたか?

愛さん:ハンドマッサージとかの。

熊井さん:イベントでハンドマッサージをしに来てくれました。

してもらって、どうでしたか?

愛さん:香りも、純情でした。気持ち良かった。

熊井さん:その福祉仮設には、たくさんの障害者とそのご家族がいらっしゃったので、色々な支援があったと思います。お父さんもイベントのお仕事を一生懸命していましたね。

愛さん:はい。

救援物資

食料はどうしましたか?クッキーもすぐになくなったと思うのですが?

そうですね。食べるものはなくなりました。最初に救援物資を届けて下さったのは神戸の方で、気仙沼の被災状況を見てすぐに物資を積んできてくれた方で。ひまわりの看板を見つけて、人がたくさんいるのを見て、「食べ物が足らんやろ?」といってダンボール一つ分のカップラーメンなどの食べ物を届けて下さったんです。暖かい関西弁で声を掛けてくださって。その方がいうには、避難所に指定された所には食料はある、その近くには避難所に指定されず、人が集まっている所があるはずだって。阪神淡路大震災の時もそういう所の人たちが一番苦労したと。そういう所を探して物資を届けている方で、もう本当にうれしくて。そういう救援物資がなかなか手に入らないなかで、ひまわりに行けば何かあるかも知れないとみんな集まってくるんですね。その人たちに何か温かいものをと職員の家から食料を持ち寄ったり、事業所の脇を流れる川から水をくんで、プロパンガスはあったんで、それでお湯をわかして、とにかく暖かいものを提供して。クッキーを作る時に使っている天板を鉄板がわりにして調理につかったりいろいろ工夫をしました。とにかくここに集まってきた利用者さんには、また来るねと言ってもらえるようにと。

 

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