不動産屋には偏見を受けましたが、でも世の中の人って本当はとっても優しいのも一方で感じています。それは避難所にいて感じました。
皆さん、「障害とは?」って知らないだけで、例えば施設のスタッフが間に入って説明すると皆さんに普通に、「そうなんだー」と自然に受け止めてくれます。私たちは障害や病気のことを知識としてまだ知らない人に、つなぐコーディネーター的な役割もあるかと思います。
避難所生活でそれを体感しました。万が一の時にサポートを受けるためにも、利用者さんに障害があることを部屋の人に伝えてよいかをお聞きし、同意を得た上でお伝えしました。
薬を飲んでいるとき「あのお兄ちゃんどこが悪いの?」って聞かれたことがあります。気になっていたようです。「精神科にかかってて薬飲んでるんだよ」って答えると「そうは見えないね、わかんないね」って。
そういう風にうまく間に入ってお話すれば、安心感を持ってお互い、相手も知ろうとしてくれるんですよね。そして見守りまでして下さいました。それっていいですよね。相互理解ですね。知ることは大切。
小川さん:うーん。
かよ子さん:たぶんね、考える間もなかったと思います。私たち(職員)は、(障害が)重度の利用者さんも抱えていて、まず、そっちを守んなきゃいけなかったんです。自分の家族の安否もわからないし、肢体不自由の利用者さん、車椅子の利用者さんのご家族もどうなってるかもわかんない。そういう中で、小川さんとか、一言二言の声がけで動いてくれる利用者さんに、手伝ってもらいました。一回で動いてくれる人たちは、私たちの話を必死に聞いてくれました。
みんなの変わりにやらなきゃいけないぐらいの切羽詰まった状況だったと思います。重度の利用者さんたちのこともあるから、自分たちだけは迷惑かけられないっていうか、そういうことは思っていたと思います。彼女(小川さん)も地域に親御さんや兄弟もいたし、心配だったと思うんです。でもそんなことは言わず、表情ひとつ変えずに懸命にやってくれました。