避難所で

お話:社会福祉法人洗心会 ワークショップひまわり 支援係長 伊藤純子さん

当日の夜はひまわりで過ごしたのでしょうか?

いえ、近くのケーウェーブ(気仙沼市総合体育館)にみんなで避難しました。商品のクッキーを持って。ケーウェーブは高台にあるので、何かあったらそこにという意識はありました。すでに多くの人が避難していましたね。

 

ケーウェーブには暖がとれるようなものはありましたか?

ないです。毛布のようなものもありませんでした。最初はみなさんと同じ広い場所にいたのですが、利用者さんにとってはいつもと違う場所、状況、ご両親にも会えない状況で、多動的な行動がどうしても出てしまって。避難している方みんなが不安な状況の中で、自分のペースが保てない利用者さんがその場にいづらくなってしまって。お手洗いにいってもすごく冷たい目で見られてしまって。誰が悪いわけではないんですが、避難している方すべてがもう限界の状態で。でもうちの利用者さんはなかなか現実を受け入れられないものですから、トイレに行けば大きな声も出るし、楽しいわけでもないのに飛び跳ねてしまう。なので、健常の方と同じ場所にいるのは難しいということで、ケーウェーブの事務員の方に事情を説明して別の部屋を貸して欲しいとお願いしたんです。けれど、なかなか理解してもらえなかったですね。でも他に人に迷惑がかかるからと説得して、どうにか会議室をお借りすることができました。その晩はそこで職員、利用者さんが「の」の字になってクッキーを食べながら過ごしました。でも、次の日にはもうそこに居れる状況ではなくなったので、ひまわりに戻ってきました。

ページの上へ戻る